オリーブオイルは、料理に香りやコクをプラスする調味料でもあります。品種や産地によって風味の幅があるので、楽しみ方も無限に広がります。前回は、オリーブ風味の強さと苦さ・辛さの違いを見極めるテイスティング方法をお伝えしました。ここではその知識を踏まえ、テイスティングシートをベースにおすすめの使いこなし術をご紹介します。
野菜炒めなどの「炒めもの」には、どのオリーブオイルでも使えます。和食の定番、だし巻き卵の敷き油には、風味も苦さ・辛さも弱い（ピュアタイプの）オリーブオイルがよいでしょう。
オリーブオイルを「揚げもの」に使うのはもったいないと感じる方もいるかもしれませんが、実はおすすめの使い方です。その理由は「持ち」がよいから。サラダ油と比較すると、繰り返し使用したときに感じる匂いやカニ泡（消えにくい小さな泡）が出てくるタイミングの違いを実感できます。ただし、苦さ・辛さが強すぎるオイルだと、苦味が気になることがあります。特に、人参やさつま芋のように甘味を楽しめる野菜の天ぷらなどには、苦さ・辛さを抑えたタイプを使いましょう。
オリーブ風味が強いオイルは、なんといっても「生」がおすすめ。テイスティングシートの右上に位置する「オリーブ風味が強く、苦さ・辛さも強いオイル」は、ステーキやトマト煮込みなど、風味の強い料理の仕上げにおすすめです。特にステーキは、鉄板が熱いうちにサッとかけることで、香りがフワッとたちます。
テイスティングシートの左上に位置する「オリーブ風味が強く、苦さ・辛さの弱いオイル」は、温野菜やカルパッチョなど、繊細でやさしい風味の料理にぴったりです。
テイスティングシートの最上段に示した「オリーブ風味が最高に強いオイル」は、苦さ・辛さに関係なく、オイルを主役にする料理に使いましょう。パンにつけるだけでも素敵な朝食になりますし、アイスクリームにかければ魔法のような味の変化が楽しめます。
ここまで使い分けのコツをお伝えしましたが、「何種類も揃えられない」という方も多いと思います。そんな方におすすめなのが、テイスティングシートのちょうど真ん中あたりに位置する万能型のJOYL「AJINOMOTO オリーブオイル エクストラバージン」です。
和洋中さまざまな料理が並ぶ日本の食卓では、おいしさはもちろん、どんな料理にも使いやすいオリーブオイルが便利です。JOYL「AJINOMOTO オリーブオイル エクストラバージン」は、オリーブオイルらしいフルーティーさは楽しめつつも、苦さ・辛さを抑えたクセのない風味が特長です。
もし、オリーブ風味や苦さ・辛さが物足りないな、というときには、唐辛子やニンニク、ローズマリー、バジルなどのハーブ類を加えると、風味を調整できます。この料理には少し香りが強すぎるなというときは、ピュアタイプのJOYL「AJINOMOTO オリーブオイル」をブレンドしてちょうどよい香りにしてから、松の実やアーモンドなどを軽く炒って混ぜてみてください。コクのあるオリジナルのオイルができあがります。混ぜるだけの手軽なちょい足しアイデアとしては、ケチャップ、味噌、柚子胡椒、海苔の佃煮などがおすすめです。
ちなみに、ピュアタイプのJOYL「AJINOMOTO オリーブオイル」も、加熱料理だけでなく、ほのかにオリーブ風味を楽しみたいお料理にはぜひ生でお使いください。レモンと砂糖を漬け込めば、トーストやヨーグルトによく合います。
炒めもの、揚げものにたっぷりと、また、料理の仕上げに生のままかけて、毎日JOYL「AJINOMOTO オリーブオイル エクストラバージン」をお楽しみいただくために、J-オイルミルズはさまざまな工夫をしています。その詳細は、次のオリーブオイルを知る・楽しむ OLIVE OIL SALON 第5回「JOYLのこだわり」で、ご紹介します。
水野 勢技世（みずの・せきよ）
株式会社J-オイルミルズで30年以上にわたり、オリーブの品質に関わる業務を担当。1999年よりスペインにてIOC公定法に準拠した風味鑑定技術を習得。日本におけるオリーブオイルの第一人者としてオリーブオイルコンテストや品評会等の審査員を歴任。
これまでに口にしたオリーブオイルのボトルは6000本以上。使命は「オリーブオイルの本当のおいしさと魅力を皆さんにお届けすること」、夢は「1600種類以上あると言われるオリーブオイルをすべて味わい尽くすこと」。