プロジェクトストーリー1のメンバー二人の写真

PROJECT STORY 01

PROJECT業務用油脂製品の長持ち技術の研究・開発

「すごい」の、その先へ──
長持ちフライ油の、さらなる進化に挑む

INTRODUCTION

業務用油脂製品「長徳®シリーズ」の写真

コンビニや弁当店、学食などで味わう唐揚げやコロッケといったフライ料理。サクサクのおいしさをいつも手頃な値段で楽しめるのは、店舗や企業の努力によることは言うまでもないが、その味わいやコストパフォーマンスに一役買っているのがJ-オイルミルズの業務用油脂製品「長徳®」シリーズである。
一般的なフライ油より大幅に長持ちする独自技術で業界をリードするヒット製品を、さらなる高みへ── そんなミッションに、基礎研究と商品開発というポジションで連携し奮闘する、次世代技術者の挑戦にフォーカスした。

MEMBER PROFILES

  • プロジェクトメンバーAOKIの写真

    R.AOKI

    2014年入社
    研究開発センター
    イノベーション開発グループ
    農学研究科応用生命科学専攻修了

    マーガリンなど固形油脂の開発でキャリアを積み、2022年より業務用油脂の基礎研究に従事。

  • プロジェクトメンバーOBARAの写真

    Y.OBARA

    2020年入社
    業務用油脂マーケティング部
    商品開発グループ
    生物資源環境科学府生命機能科学専攻修了

    学生時代は飲料のおいしさを向上する製造方法を研究。入社以来、SUSTEC®の研究開発に携わる。

プロジェクトメンバーたちが研究する姿の写真

STORY 01

特許製法 SUSTEC® 〜長持ちフライ油の次世代を研究・開発〜

外食チェーンや総菜店、食品工場では、揚げ物の調理に日々大量のフライ油が使用されている。そのため、油の劣化による交換コストや作業負担は重大な悩みの種となっている。J-オイルミルズは2007年、一般的なフライ油より長持ちする画期的な製品『長調得徳®』(長徳®シリーズの前身)をリリース。業務用フライ油の品質・コストに大きな変革をもたらした製品は、改良を重ながら多くの企業ユーザーから支持を集めている。

「一口に油の劣化といっても、着色やにおい、泡立ち、酸化など現象は多面的です。長徳®シリーズの最新の特許製法『SUSTEC®4』では、一般的な植物油製品より泡立ちを抑え、酸化や着色を4割、においを2割抑制することに成功しました。SUSTEC®の技術を簡単に説明すると、一般的な植物油製品では原料となる大豆や菜種などをきれいに精製しますが、SUSTEC®では今まで取り除いていた部分に劣化を抑える成分があることを発見しました。私は基礎研究として、より良い効果をもたらす成分の解明や精製方法を研究しています」

「わたしは商品開発として、基礎研究での成果をもとに、油や添加物を調合して製品の試作、評価を行っています。営業部門から上がってくる顧客要望や次期製品の方針などを受け、研究部門と技術連携し製品化を目指します。また製品の成分や効果の数値化、工場生産する際の技術整備など、製品化に向けた幅広い業務を担っています」

若手技術者として、それぞれのタスクを担う二人。油の世界に飛び込んだきっかけを聞いてみた。

語り合うプロジェクトメンバーたちの姿

「数ある食品のなかでも、多くの人に親しまれる製品に関わりたいという思いを持っていました。植物油と聞くと家庭向けの製品を思い浮かべますが、J-オイルミルズは業務用の分野のシェアが高くなっています。食品メーカーなどで自社製品を使い加工された食品が世の中にわたっていくという貢献の仕方に、縁の下で支える面白さを感じました」

「J-オイルミルズのインターンシップで、大豆やコーン油などいろいろな種類の油で揚げた揚げ物を食べ比べするプログラムがありました。それまで油といえばキャノーラ油くらいしか知りませんでしたが、揚げた油の種類によって、素人のわたしでも分かるくらい味に違いがあって、油って面白いなと思いました」

語り合うプロジェクトメンバーたちの姿
製品開発する様子の写真

STORY 02

食のプロが相手だから、妥協は許されない

長徳®シリーズの発売から15年以上。確立された製品の技術に、新たなイノベーションの芽を探すことに難しさはないのだろうか。

「わたしが入社した1年後に、SUSTEC®4技術による最新の『長徳®シリーズ』がリリースされました。そのときに先輩方の取り組みを見て、次は自分が新しいものを形にしたいと強く思いました。日々の業務で開発の種を探してはトライしていますが、思ったデータが出ないことの方が多いです。

製品開発する様子の写真

ラボでは実際の厨房設備で揚げ物を調理し、使用後の油の色や劣化物質の状態を調査したり、官能評価として揚げ物を食べて食感や油っぽさをチェックします。地道に取り組む仕事だからこそ、次につながる発見ができたときの喜びは大きいです」

ラボの調理室内には本物の厨房以上にフライヤー機器が備わり、惣菜店さながらに大量の揚げ物料理が並べられていた。食のプロフェッショナルを相手にする仕事ゆえに、一切の妥協は許されない。

「これまで多くの先輩方が育ててきた製品なので、プレッシャーはあります。ただSUSTEC®の開発は「いかに長持ちさせるか」と、研究の指針が明確です。悩み試行錯誤しているときも、“長持ち”という指針に立ち返えることができ発想の転換がしやすいです。開発やカスタマー部門など業務用製品に関わるチーム全体でコミュニケーションが活発なので、のめり込み過ぎずに視野を広く研究に向き合える良さもあります」

製品開発する様子の写真
語り合うプロジェクトメンバーたちの姿の写真

STORY 03

おいしさを超え、サステナブルな社会に貢献

食は人類にとって永遠のテーマであり、その基盤となる油を追究することは、暮らしにより一層の便益をもたらしてくれる。J-オイルミルズの挑戦に終わりはない。

「お客様や社会が何を求めているか、その声に寄り添った開発を目指していきたいです。また、SUSTEC®の“長持ち”という特性を通じて、SDGsにも貢献できるのはやりがいとなっています」

「SUSTEC®はおいしさの追究と同時に、食産業の課題解決にもつながる技術です。油を長く使えることで廃棄量を抑制でき、油の交換作業が減ることで労働力不足に悩む企業の負担軽減にもつながります。もっと広い目で見れば、農産資源の効率的な利用や、原料輸送や製品配送で生じるCO2の削減にも貢献します。研究を通じてサステナブルな社会に寄与できるのは嬉しいですね」

プロジェクトメンバーたちの姿の写真

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